今や世界にその名を知られている野口英世博士ですが、彼の死後野口英世研究所という機関が登場しました。
博士の研究への情熱を絶やすまいとする動きなのでしょうか。
私は大いに興味を持ち、その研究所について調べてみることにしました。
調べていくうちにどうも野口英世とは関係なく、彼の名を使っているだけの独自の機関なんだということがわかってきました。
その内容と実情について少し意見を述べたいと思います。
野口英世研究所のスタート
この研究所はアメリカの財団法人で、1985年に本拠地をフィラデルフィアにおいています。
この財団法人の創設者の浅野嘉久博士は100万ドルという大金を寄付したそうです。
最初は、日本からアメリカに渡り多くの研究をしてきた野口英世の業績を記念して作られたのだと好意的に思ったのですが調べていくうちにいろんな面が見えてきました。
この研究所は米国財団法人野口英世研究所と日本に本拠地を置く、一般社団法人野口英世研究所とがあります。
一般社団法人野口英世研究所での取り組み
この研究所ではいろんな事業に取り組んでいるようです。
24時間どこからでも医療に関するアドバイスを受けられたり、郵送で検査を受けられたりとても便利なサポート事業などがあります。
最近良く検査キットを郵送で送って検査してもらうという話をよく聞くようになりました。ここでもやっていたんですね。
それにカイロプロクターなどの資格の認定や研修にも取り組んでいるそうです。
また研究所らしく健康食品の臨床試験なども手がけていて現代の私たちの暮らしに密接に関わっていたことがわかりました。
知らないうちに私たちはどこかでこの臨床試験を受けた商品を使っているのかもしれませんね。
またまた別の意味で意外なところでは、オンラインショップで健康食品やシャンプーなどの販売をしたり、会議室を貸したり、旅行の手配をしたりとまったく野口英世研究所の名前とは程遠い事業を展開しているのです。
こうなると野口英世の研究心を後世に生かそうとする志があるのか少し疑問になってきましたね。
野口英世の名を借りた金儲けビジネスのような気がしてなりません。
野口英世の研究とこのような事業が結びつくとは思えないからです。
彼の意思を継ぐような研究所であれば、もっと難病といわれている病気に対しての取り組みや、ケアがなされているべきではないでしょうか。
もっとも、この事業の儲けが後の野口英世のような人を育てるために使われているのなら話は別なんですが。
なんだか少し胡散臭い気もします。
この団体では最先端の癌治療のためのセミナーなども開いているようですがセミナーだけでは何も生まれません。研究あっての医学だと思います。
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米国財団法人野口英世研究所
日本の一般社団法人野口英世研究所と密接に関係しており、創立30周年を迎えました。野口英世に続く有能な研究者を育てるべく、たくさんのセミナーや交流会を行っています。
また奨学金を贈るなどして、野口英世の再来とも言える人物を讃えているようです。
しかしこちらもあまり際立った活動をしているようには見えません。
米国財団法人と一般社団法人とややこしいのですがこの二つはほぼ同じ団体と見ていいようです。
野口英世研究所の名前で高額なサプリメントを購入して、なんら効果もえられないという話も聞きました。
詐欺とまでは言いませんが、こうなると野口英世の顔に泥を塗るようなものではないでしょうか。
彼が生きていたらどんなに悲しむことでしょう。
この研究所は、野口英世の功績を後に伝えたい、後継者を育てたいという主だった趣旨から離れつつあるのではないでしょうか。
この研究所は野口英世の遺族が薦めたものでもなく、ただ彼の名を借りて存在しているもののような気がします。
もちろん設立当初は、野口博士に続く有能な医師を求めていたのかもしれません。そして今もその想いはどこかに残っているのかもしれませんが、現在の研究所の事業内容をみるとあまりそんな感じを受けないというのが事実です。
野口英世が研究に研究を重ね、黄熱病やさまざまな病気と向き合い情熱を燃やしてその対処に臨んできた彼の姿勢が見られなかったことは、野口博士ファンとしてはとても残念です。
今後この研究所でも、また新たな研究所ででも野口博士の心を継いだ医療現場がたくさん登場し、第2第3の野口英世が登場することを期待しています。
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